「IKEAのフライパンって、安いけど正直どうなの?」
キッチン用品を買い替えるたび、誰もが一度は頭をよぎる疑問ですよね。プロ仕様のブランド品と比べて数千円、場合によっては数万円も安いとなれば、そのコスパの良さに飛びつきたくなる一方で、「すぐに焦げ付くんじゃ…」「結局すぐ買い替えるハメになるんじゃ…」と不安になるのも当然です。
実は今、このIKEAのフライパンが料理好きの間で静かに、でも確実に注目を集めています。というのも、ある世界的ベストセラー料理本の著者であり、レシピサイト「RecipeTin Eats」を運営する人気料理家Nagi Maehashi氏が、自身が長年愛用してきた300ドル超えの欧州ブランド品からIKEAのフライパンに乗り換えたことを公表。しかも「もう高級フライパンは買わない」と言い切ったことで、世界中の料理好きがIKEAの調理器具を見直すきっかけになったんです。
この記事では、そんなIKEAで買える全9種類のフライパンを徹底的に比較しながら、あなたの料理スタイルにぴったりの1枚を見つけるお手伝いをします。コーティングの種類や素材ごとの特徴はもちろん、実際に使っている人のリアルな口コミや、長持ちさせる意外なコツまで、包み隠さずお伝えしますね。
IKEAのフライパン、ぶっちゃけプロはどう見てる?
「安いフライパンは結局プロには使えないんでしょ?」
そう思っていた私も、いくつかの事実を知って考えが変わりました。実は世界各国のレストランシェフの中にも、IKEAのフライパンを業務用として使い倒している人が少なくないんです。
特に評価が高いのは、これから詳しく紹介する「HEMKOMST(ヘムコムスト)」というシリーズ。ステンレス製の本体にソルゲルセラミックコーティングを施したこのフライパンは、あるプロの料理人から「この価格帯とは思えない熱の入り方」と評されています。
さらに面白いのは、料理研究家の間で広がる「IKEAの鋳鉄やカーボンスチールをゼロから育てる楽しさ」への注目です。高級ブランドのように最初から完璧な状態で届くわけではない。でも、だからこそ“自分の相棒”に育て上げるプロセスそのものが、料理の腕を一段上げてくれる。そんなストーリーに惹かれる人が増えているんですね。
ただし、正直なところ「価格相応」と感じる部分がないわけでもありません。例えば深型ソテーパンのKLIPPFISKは、SNSで話題の高級ブランド「Our Place」のAlways Panと比較されることも多いのですが、熱伝導の均一性では分がある一方で、立ち上がりの早さでは一歩譲るという声も。
とはいえ、その価格差を考えれば「値段以上の仕事をしてくれる」というのが、多くのプロの一致した見解です。
IKEAのフライパン全9種類を素材別にざっくり紹介
まずはIKEAで手に入るフライパンの全ラインアップを、素材別にサクッと眺めてみましょう。大きく分けると以下の4タイプです。
・カーボンスチール製
代表は「VARDAGEN(ヴァルダゲン)」。鉄に近い性質で、使うほどに表面が変化して自分のものになっていく感覚が楽しいシリーズ。使う前に「油ならし」と呼ばれるシーズニングが必要ですが、手間をかけた分だけ強いこびりつきにくさを発揮します。高温調理や焼き色付けが得意で、本格的な炒め物やステーキをよく作る人に。
・鋳鉄製
同じくVARDAGENシリーズにラインナップ。蓄熱性が非常に高く、一度温まれば冷めにくいのが特徴です。アウトドアブランドのLodgeとよく比較されますが、IKEAのほうが取っ手が長く素手でも扱いやすい設計。また北欧らしいすっきりとしたデザインも人気の理由です。煮込み料理やじっくり火を通したい料理に最適。
・セラミックコーティング(ソルゲル)
冒頭で触れたHEMKOMSTがこのタイプ。ステンレスのボディにソルゲルセラミック加工を施していて、熱伝導の良さと焦げ付きにくさを両立しています。IH対応、オーブン使用可能(取っ手含む)と汎用性も抜群。24cm、28cm、32cmとサイズ展開が豊富なのも嬉しいポイントです。
・テフロン加工
お手頃価格のKAVALKAD(カヴァルカード)が代表格。2点セットで販売されていることも多く、とにかく気軽に使い始めたい人向け。卵料理やパンケーキなど、デリケートな食材の調理でこびりつきを気にしたくないときに重宝します。ただし耐久性は他の素材に劣るため、買い替えサイクルは短めと考えておきましょう。
【本音で比較】素材ごとのメリット・デメリットを整理しよう
さて、ここからが本題。それぞれの素材にどんな得意・不得意があるのか、実際の使用感に踏み込んで比較していきます。
熱伝導と立ち上がりの早さ
忙しい朝にサッと炒め物を作りたい。そんなときに重視したいのが「すぐに温まるかどうか」です。この点で最も優秀なのはステンレス+セラミックコーティングのHEMKOMST。熱伝導が良く、しかもむらなく温まるので、食材を入れたときの温度低下が少なく済みます。次いでカーボンスチール、テフロンと続き、鋳鉄はじっくり温まるタイプなので、時間に余裕があるとき向きです。
こびりつきにくさと日々のお手入れ
「結局、焦げ付かないかどうかが一番気になる」という方、多いですよね。初期のこびりつきにくさだけを見るなら、テフロン加工のKAVALKADがやはり楽ちん。しかしテフロンはコーティングが剥がれやすく、寿命は1〜2年程度というのが実情です。
一方で注目したいのがHEMKOMSTのソルゲルセラミック。油をほとんど使わなくても意外なほどスルッと剥がれ、かつステンレスベースなのでコーティングが傷んでも本体は使い続けられる頑丈さがあります。
カーボンスチールと鋳鉄は、正直最初は「焦げ付きやすい」と感じるかもしれません。でもこれは“育て方”次第。IKEA365+シリーズを2年以上使っているあるユーザーは、「フライパンをしっかり熱してから、冷たい油を入れる。たったこれだけで、洗剤でゴシゴシ洗っても焦げ付かなくなった」と話します。この「熱鍋冷油(ねつなべれいゆ)」のテクニックは、実はプロの料理人の基本でもあるんです。
メンテナンスの手間と寿命
「手入れが面倒なのは無理…」という方は、迷わずHEMKOMSTかIKEA 365+を選んでください。IKEA 365+は耐久性の高さに定評があり、食洗機にも対応。さらにIKEAはこのシリーズに限り、コーティングの再加工サービスを提供しているのも大きな強みです。
逆に「ちょっと手間をかけても、一生モノを育てたい」という方にはVARDAGENのカーボンスチールや鋳鉄がおすすめ。シーズニングと呼ばれる油を焼き付ける作業が必要ですが、これを繰り返すことで表面に自然なこびりつき防止の皮膜ができ、味わい深い見た目に変化していきます。キャンプで使うスキレットをイメージするとわかりやすいかもしれません。
結局どれを選べばいい?あなたにぴったりのIKEAフライパン
では、ここまで読んで「結局どれ?」と思っているあなたのために、調理スタイル別に選び方を整理しました。
「コスパ最強、バランス重視で選びたい」人へ → HEMKOMST(IKEA HEMKOMST)
IKEAのフライパンの中で、今最も注目を集めているのがこのシリーズ。IH・オーブン対応で普段使いしやすく、プロも唸る熱伝導の良さが光ります。サイズ展開が豊富なので、まずは28cmを1枚持っておくと、炒め物から煮物の下ごしらえまで幅広くカバーできます。
「チャーハンやステーキを極めたい」人へ → VARDAGEN カーボンスチール(IKEA VARDAGEN カーボンスチール)
高温調理が得意で、強火で一気に仕上げる中華料理や、表面をカリッと焼き上げたい肉料理に最適。最初のシーズニングさえ乗り越えれば、使うほどに愛着が湧く相棒になります。
「煮込み料理や無水調理をよくする」人へ → VARDAGEN 鋳鉄(IKEA VARDAGEN 鋳鉄)
重さと蓄熱性を活かして、カレーやシチュー、アクアパッツァのような煮込み料理に。そのまま食卓に出しても様になるデザインも魅力です。
「卵焼きやパンケーキを失敗したくない」人へ → KAVALKAD(IKEA KAVALKAD)
とにかく焦げ付きを避けたい、朝の時短調理に使いたいならテフロン加工のこれ。買い替えを前提に、気軽に使い倒せる価格なのが嬉しいですね。
「多機能な深型フライパンが欲しい」人へ → KLIPPFISK(IKEA KLIPPFISK)
炒める・煮る・蒸す・揚げるをこれ1つで済ませたいズボラさんに。深さがあるので汁気の多い料理も安心。蓋つきでこの価格は、やはりIKEAならではです。
長持ちさせるための簡単テクニック、教えます
最後に、せっかくIKEAのフライパンを手に入れたなら、できるだけ長く快適に使いたいですよね。どの素材にも共通する、ちょっとしたコツをお伝えします。
まず絶対に守ってほしいのが「中火以下を基本にする」こと。特にテフロンやセラミックコーティングは強火にかけると一気に劣化します。IHの場合は特に立ち上がりが早いので、最初から火力を上げすぎないように注意しましょう。
そしてもう一つ。これは本当に効果が大きいので声を大にして言いたいのですが、「フライパンをしっかり温めてから油を入れる」これだけでこびりつきが劇的に減ります。先ほど紹介した「熱鍋冷油」のテクニックです。温まったフライパンに冷たい油を入れることで、食材とフライパンの間に薄い油の膜ができ、まるで新しいコーティングが生まれたかのような効果が得られます。
洗剤を使ってしっかり洗っても大丈夫。むしろ油汚れを残さないことのほうが、次の調理での焦げ付き防止につながります。ただし、カーボンスチールと鋳鉄だけは例外で、洗ったら必ず火にかけて水分を飛ばし、薄く油を塗ってからしまってくださいね。
イケアのフライパンは「選択肢の多さ」こそ最大の魅力
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
IKEAのフライパンは、決して「価格が安いだけ」の選択肢ではありません。カーボンスチール、鋳鉄、セラミック、テフロンと、調理のプロも使う本格的な素材を、誰もが手に取りやすい価格で提案していること。そして、それぞれの素材に合った料理やメンテナンスの楽しみ方があること。それこそが、IKEAが世界中のキッチンで支持される理由だと感じます。
「安いからとりあえずIKEAでいいや」ではなく、「自分に合った素材をIKEAで選べる」という感覚を持っていただけたら嬉しいです。
さあ、あなたの料理をもっと楽しくしてくれる1枚を探しに、久しぶりにあの青い大きな箱をのぞいてみませんか?

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