鉄のフライパンって、なんだか憧れますよね。炒め物がシャキッと仕上がったり、焼き目がパリッと決まったり。しかも鉄分まで補えちゃう。でも、「IHだと底が反るんじゃ…」「手入れが面倒で挫折しそう」という声もよく聞きます。実際、僕も最初は盛大に焦がして、シンクの前で途方にくれたクチです。
とはいえ、コツさえ掴めばIHでも鉄フライパンは最高の相棒になります。今日は、10年近く鉄フライパンと格闘してきた経験をもとに、IH対応の鉄フライパンで失敗しない選び方と、無理なく続けられるお手入れのコツをお伝えします。最後まで読めば「なんだ、自分にもできそう」と思えるはずです。
IHで鉄フライパンを使う前に知っておきたい基本のキ
いきなりですが、IH調理器で鉄フライパンを使うときに一番気をつけたいのが「急激な温度変化」です。IHはガス火と違って、スイッチひとつで一気に高温になります。中火のつもりが実は強火だった、なんてことも。
これがクセモノで、鉄フライパンが反る原因のほとんどは、この急加熱にあります。特に底の薄いフライパンは要注意。バチンッと音がして底が盛り上がってしまった…という悲鳴に近い口コミも少なくありません。
IHで使うなら「底の厚さ」が命
じゃあ何を基準に選べばいいのか。まずは底面の厚みです。最低でも1.6mm、できれば2.0mm以上あるものを選ぶと安心です。
厚みがあれば熱をじっくり蓄えて均一に広げてくれるので、IH特有の熱ムラも抑えられます。薄すぎるフライパンは加熱ムラが出やすく、真ん中だけ焦げるという残念な仕上がりになりがちです。
もうひとつ。買う前に必ず「IH対応」の表示を確認してください。当たり前のようですが、底面が完全に平らに設計されているかどうかは製品によって違います。最近はほとんど対応していますが、念のため。
失敗しない鉄フライパン選びのポイント
鉄フライパンと一言で言っても、実は選択肢がかなり広がっています。「とにかく手間を減らしたい」のか「本格的に育てたい」のか、自分の性格やライフスタイルで選ぶのが正解です。
加工タイプで選ぶなら
- 窒化加工:表面を窒化処理してサビにくくしたもの。空焼きや油ならしが不要だったり、手入れがラクなのが魅力。いきなりですが、リバーライト 極JAPANが代表格です。
- ハードテンパー加工:こちらも購入後すぐ使えるタイプ。シーズニング不要で、鉄の扱いに慣れていない人にやさしい設計です。
- プレーン(無加工):鉄本来の姿。使い込むほど油がなじみ、自分だけの一丁に育ちます。ややハードルは高いですが、その分愛着はひとしおです。
重さも意外と大事
26cmサイズで1kg前後が扱いやすい目安です。片手でひょいと返せる重さかどうか、できれば実物を手に取って確認するのがベスト。炒め物のときに重すぎると、せっかくの鉄フライパンがお蔵入りになりかねません。
IHで使える鉄フライパンおすすめ10選
ここからは、実際に使ってみて「これは良い」と思ったもの、そして周囲の鉄フライパン好きから高評価だったものを厳選して紹介します。
1. リバーライト 極JAPAN
窒化鉄の定番中の定番。26cmで約950gと重すぎず軽すぎず、バランスが絶妙です。サビに強く、毎日のお手入れが本当にラク。油ならしが必要ですが、その後は油を塗らなくてもサビにくいのがありがたい。リバーライト 極JAPAN
2. ビタクラフト スーパー鉄
窒化4層加工で、空焼きも油返しも一切不要。買ってきて洗ったらすぐ使える手軽さは、忙しい人にぴったりです。約960g(26cm)で、初めての鉄フライパンとしてもおすすめ。ビタクラフト スーパー鉄
3. 山田工業所 鉄打出フライパン
板厚2.3mmの打ち出し製法。ずっしりとした重みと蓄熱性は、まさに本格派。分厚いステーキやパリッと焼きたい魚料理に力を発揮します。重量があるので、据え置きで使うイメージが近いです。山田工業所 鉄打出フライパン
4. 藤田金属 元気じゃない日の、フライパン
名前がユニークですが、実力は本物。ハードテンパー加工でシーズニング不要、しかも木製の六角グリップが手にしっくりきます。デザインもかわいくて、キッチンに置いておくだけで気分が上がります。藤田金属 元気じゃない日のフライパン
5. 柳宗理 マグマプレート
工業デザイナー柳宗理氏の名作。蓋がフライパンとしても使える二面性と、マグマプレート加工による優れた油なじみが特徴です。多少重めですが、そのぶん熱回りは抜群。柳宗理 マグマプレート
6. 和平フレイズ enzo
板厚2.0mmで焼きに特化したモデル。チャーハンやパスタを豪快に煽りたい人に。シンプルな佇まいもかっこいい。和平フレイズ enzo
7. ビーワーススタイル 目玉焼きがおいしく焼ける鉄のフライパン
約590gという驚きの軽さ。空焼き・油ならし不要で、女性でも片手で楽々扱えます。「とりあえず鉄フライパンを試してみたい」という入門用に最適。ビーワーススタイル 目玉焼きがおいしく焼ける鉄のフライパン
8. ターナー工業 鉄フライパン
プロの厨房でも使われる信頼感。派手さはないものの、素直な使い心地で、火加減の練習にぴったりです。価格も手頃で、ガシガシ使えます。ターナー工業 鉄フライパン
9. 及源鋳造 南部鉄フライパン
鋳物ならではの高い蓄熱性が魅力。焼きムラが少なく、じっくり火を通す料理に強いです。重量はありますが、それが味方になります。及源鋳造 南部鉄フライパン
10. パール金属 鉄フライパン
コスパ重視ならこれ。リーズナブルなのにIH対応で、ちょっとした炒め物やお弁当作りに重宝します。気軽に鉄デビューしたい人向けです。パール金属 鉄フライパン
鉄フライパンのお手入れは「脱・完璧主義」がコツ
さて、ここからが本題です。鉄フライパンのお手入れって、ネットで調べると「空焼きして油を塗って…」とやたら厳格なルールが並んでいて、それだけで疲れちゃいませんか。
結論から言うと、そこまで気張らなくて大丈夫です。僕が長年使ってきてたどり着いた鉄フライパンとの付き合い方は、「とにかく洗ったあとに水分を飛ばすこと」。これだけ守れば、サビでダメにすることはまずありません。
基本の洗い方
調理が終わったら、フライパンが温かいうちにさっと洗います。ここで大事なのは洗剤を使ってもOKということ。よく「洗剤はダメ」と言われますが、今の鉄フライパンは洗剤で油膜が落ちるほどヤワじゃありません。むしろ汚れを残すほうが焦げやサビの原因になります。
たわしでゴシゴシ洗って、最後に火にかけて水分を飛ばす。たったこれだけ。薄く油を塗るのは、長時間使わないときだけで十分です。毎日使うなら、むしろ塗らなくても大丈夫。
焦げ付いたときの対処法
「あっ、やっちゃった」というときは、無理にこすらずお湯を張って煮立ててみてください。焦げがふやけて、するっと剥がれることが多いです。それでも取れないときは、たわしで遠慮なくこすってOK。鉄は丈夫なので、少々乱暴に扱ってもビクともしません。
サビが出てしまったら
うっかり放置してサビが出ても、あわてないでください。たわしでサビを落として、油を塗って加熱すれば復活します。鉄フライパンは、そう簡単には死にません。何度でもやり直せるのが、鉄のいちばんの魅力です。
IHと鉄フライパンで毎日の料理をワンランクアップ
IHで鉄フライパンを使うのは、最初こそ少しコツがいりますが、慣れてしまえばこっちのものです。野菜はシャキッと、肉はジューシーに、卵焼きだってツルンと仕上がります。そして何より、使えば使うほど手になじんでいく感覚は、テフロン加工のフライパンでは味わえません。
今日紹介した中から、自分のライフスタイルに合った一本を見つけてみてください。最初の一歩さえ踏み出せば、あとはフライパンが勝手に育ててくれます。さあ、あなたも今日から鉄のある台所、始めてみませんか。

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