「政治経済学」って、政治学と経済学を足しただけの学問なの? そう思っている方もいるかもしれません。
でも、実はもっと深いんです。現代社会の複雑な問題を解決するために、政治と経済の両方の視点からアプローチする、とても実践的な学問なんです。
この記事では、政治経済学で何を学べるのか、実際に大学院でどのような研究ができるのか、そして将来どのようなキャリアが考えられるのかを、大学の公式情報をもとに解説していきます。
これから大学院進学を考えている方も、この学問に興味を持ち始めた方も、ぜひ最後まで読んでみてください。
政治経済学とはどのような学問なのか
政治経済学は、一言でいうと「政治と経済の関係性を中心に据えて、社会のさまざまな問題を分析・解決しようとする学問」です。
政治学だけでも経済学だけでも解決が難しい現代の複雑な問題に対して、両方の視点を持つことで新しい解決策を探ります。たとえば、環境問題、エネルギー問題、貧困、難民問題、国際紛争などがその対象になります。
政治学と経済学の違い
政治学は主に「権力」や「制度」を扱います。国家の仕組み、国際関係、政策決定のプロセスなどを研究する学問です。
一方、経済学は「資源の配分」や「市場のメカニズム」を扱います。お金やモノの流れ、企業や消費者の行動を分析する学問です。
政治経済学では、これらを分けて考えるのではなく、たとえば「ある政策が経済にどのような影響を与えるのか」「経済格差が政治にどのような影響を及ぼすのか」といったように、両者が相互に影響し合う関係性を研究します。
なぜ今、政治経済学が注目されているのか
地球温暖化、パンデミック、難民問題、資源の枯渇……現代の課題はどれも、政治だけでも経済だけでも解決できません。
国際協力が必要であり、各国の政治判断が経済に大きな影響を与えます。逆に、経済状況が政治の舵取りを左右することもあります。そうした複雑な問題に取り組むために、政治経済学の考え方が重要視されているのです。
政治経済学を学べる大学院
政治経済学を専門的に学べる大学院は、日本にも複数存在します。ここでは、公式情報が確認できた大学院を紹介します。
1. 武蔵野大学大学院 政治経済学研究科 政治経済学専攻
武蔵野大学の大学院には、政治経済学研究科政治経済学専攻が設置されています。修士課程と博士後期課程があり、まさに「政治経済学」を一つの専攻として学べる数少ない大学院の一つです。
特徴と教育目的
この研究科の目的は、世界で生じている政治・経済の問題を解決するために、政治学または経済学の高度な専門知識をもち、政治と経済の関係性にも着目して、新たな解決策を提示できる人材を養成することです。
具体的には、環境、エネルギー、食糧、資源、難民、貧困、民族、戦争といった、現代社会が直面する喫緊の課題を研究対象としています。
取得できる学位
この研究科では、博士後期課程において「博士(政治学)」または「博士(経済学)」の学位を取得することができます。自身の研究内容に合わせて、どちらの学位を目指すかを選択できるのが特徴です。
コース制
博士後期課程には政治学コースと経済学コースが設置されており、それぞれの専門性をさらに深めることができます。
学費と定員
2026年度入学者向けの情報によると、初年度納入金は修士課程が952,000円、博士後期課程が921,000円です(今後変更される可能性がありますので、必ず最新の情報を確認してください)。定員は修士課程が10名、博士後期課程が3名と、少人数制であることも特徴です。
想定されるキャリア
この研究科では、修了後の進路として、記者やジャーナリスト、教授や学者、国家公務員、地方公務員、国際公務員などが想定されています。政治経済学の知識を活かして、さまざまな分野で活躍できる人材の育成を目指しています。
こんな人に向いています
- 環境問題や国際紛争など、実践的な課題に取り組みたい人
- 政治学と経済学を融合させた視点で研究したい人
- 国際機関やジャーナリズムなどでの活躍を目指す人
- 少人数制の環境で、手厚い指導を受けたい人
こんな人には向いていません
- 政治学または経済学のいずれか一方に特化した研究をしたい人
- 大規模な研究環境を好む人
注意点
学費や入試要項などの詳細は年度ごとに変更される可能性があります。必ず大学の公式サイトで最新情報を確認するようにしてください。
2. 明治大学大学院 政治経済学研究科
明治大学の大学院にも、政治経済学研究科が設置されています。こちらは政治学専攻と経済学専攻に分かれており、それぞれのディシプリンをより専門的に深めることができます。
特徴と教育目的
この研究科の大きな特徴は、博士前期課程(修士課程)に「研究者コース」と「高度職業人コース」が設けられている点です。
研究者コースは、その名の通り研究者を目指す人のためのコースです。一方、高度職業人コースは、実務家や高度な専門職業人を目指す人のためのコースで、より実践的なスキルの習得を重視します。
カリキュラムの特徴
政治学専攻では、「理論系」「歴史・思想史系」「行政学系」「社会学系」といった体系的な科目群が用意されています。経済学専攻についても、同様に専門性を深めるためのカリキュラムが組まれています。
取得できる学位
博士前期課程では「修士(政治学)」または「修士(経済学)」、博士後期課程では「博士(政治学)」または「博士(経済学)」の学位が授与されます。
こんな人に向いています
- 自身の研究テーマを政治学または経済学のいずれかに明確に位置づけたい人
- 研究者を目指すか、実務家を目指すかでコースを選択できる点を魅力に感じる人
- 体系的なカリキュラムの中で学びたい人
こんな人には向いていません
- 政治と経済の垣根を越えた、より自由な学際研究を志向する人(その場合は武蔵野大学のような専攻の方が適している可能性があります)
注意点
各コースや専攻の詳細なカリキュラム、入試要項は別途公式サイトで確認する必要があります。また、こちらも学費等の情報は年度ごとに変わる可能性があるため、最新情報を必ず確認しましょう。
政治経済学を学ぶ上でのよくある疑問
数学は必要ですか?
政治経済学では、数理的なアプローチを用いる研究も行われています。たとえば、早稲田大学の政治経済学を専門とする研究者には、応用ゲーム理論や数理政治学、公共選択などを研究分野とする方がいます。
ただ、すべての研究で高度な数学が必須というわけではありません。研究テーマによって必要なスキルは異なります。大学院を選ぶ際には、自身の研究テーマに合った指導が受けられるかどうかを確認するとよいでしょう。
英語は必要ですか?
現代の政治経済学の研究では、国際的な学術誌に論文を発表することが求められることが多く、英語での文献購読や論文執筆のスキルは非常に重要です。特に博士課程を目指すのであれば、英語力は必須と言えるでしょう。
大学院卒業後の進路は?
政治経済学の大学院を修了した後の進路としては、主に以下のようなものがあります。
- 研究者(大学教授、研究機関の研究員など)
- 国家公務員・地方公務員
- 国際公務員(国連職員など)
- ジャーナリスト・記者
- シンクタンクの研究員
- 民間企業の企画・調査部門
政治経済学の大学院を選ぶ際のポイント
政治経済学を学べる大学院を選ぶときは、以下のような点を比較材料にするとよいでしょう。
1. 専攻のあり方
政治経済学を一つの専攻として学際的にアプローチするのか(武蔵野大学型)、それとも政治学と経済学が別専攻としてより専門的に深められるのか(明治大学型)。自分の研究スタイルに合った方を選びましょう。
2. コースの有無
研究者養成に特化しているのか、高度職業人養成のコースもあるのか。自分のキャリアプランに合わせて選択できるかどうかも重要なポイントです。
3. 研究指導体制
少人数制かどうか、自分の研究テーマに合った指導教員が在籍しているかどうかも確認しておきたいところです。
4. 学位の種類
博士号を取得する場合、「博士(政治学)」なのか「博士(経済学)」なのか。自分の研究内容と照らし合わせて選択しましょう。
まとめ:政治経済学で未来を切り拓く
政治経済学は、現代社会の複雑な問題を解決するために、政治学と経済学の両方の視点を持つことが不可欠だという認識に立った、とても実践的な学問です。
大学院では、武蔵野大学のように一つの専攻として学際的に学ぶ方法もあれば、明治大学のように政治学専攻・経済学専攻に分かれてより専門的に深める方法もあります。どちらが自分に合っているかは、研究したいテーマや将来のキャリアプランによって異なります。
この記事で紹介した情報は、各大学の公式情報に基づいていますが、入試要項やカリキュラム、学費などは年度ごとに変更されることがあります。進学を本格的に検討する際には、必ず各大学の公式サイトで最新情報を確認するようにしてください。
政治経済学という視座を得ることで、世界の見え方が変わるかもしれません。あなたの興味や関心が、どのような研究テーマにつながっていくのか。その第一歩として、この記事が少しでもお役に立てば幸いです。

コメント