「ぶりの照り焼きって、なんだか上手くいかないんだよね」
そうぼやいていたのは、つい先日の自分です。身はパサつくし、皮はフライパンにベッタリくっつくし、味はなんだかぼんやり。居酒屋さんで食べる、あのツヤッツヤでふっくらしたぶり照り焼きは、家では無理なのかと諦めかけていました。
でも大丈夫。ちょっとしたコツを知るだけで、フライパンひとつで驚くほど簡単に、お店顔負けの一皿が完成するんです。今回は、失敗しがちなポイントを全部解決する黄金レシピをお伝えします。今夜のおかずは、もう迷いませんよ。
なぜぶり照り焼きは失敗しやすいの?
まずは敵を知ることから始めましょう。ぶり照り焼きに失敗するのには、ちゃんと理由があります。
一番多いのが「臭み問題」。ぶりは青魚の一種なので、どうしても独特の匂いが出やすい魚です。そして「パサつき問題」。火を通しすぎると、せっかくの脂が抜けて硬くなってしまいます。さらに「味が決まらない問題」。タレの配合を間違えると、甘すぎたり薄すぎたり。最後に「焦げ付き問題」。タレに糖分が多いので、火加減を間違えると一瞬で真っ黒です。
でも、これらは全部対策できます。ひとつずつ見ていきましょう。
絶対に知っておきたい下処理のコツ
ぶり照り焼きの運命は、火をつける前にほぼ決まっています。
まず買ってきた切り身に、塩をパラパラとふって10分ほど置いてください。すると、ぶりから水分がじわっと出てきます。この水分こそが臭みの正体。キッチンペーパーでしっかり拭き取りましょう。この作業を「塩振り」と呼んで、料理人なら当たり前にやる工程なんです。
もうひとつ、ぜひやってほしいのが薄力粉をまぶすこと。全体にうっすらと粉をはたくだけで、表面はカリッと、中はふっくら。さらにタレがよく絡むようになります。まるで魔法のベールですね。
プロの料理人の中には、養殖ぶりの場合、熱湯をさっとかけて表面の脂を落とす「霜造り」という技を使う人もいます。脂が多いぶりが好きな方はそのままでもいいですが、さっぱり仕上げたいときは試してみてください。
くっつかない!フライパン焼きの正しい手順
さあ、いよいよ焼きに入ります。ここで大事なのは火加減です。
まずフライパンに油をひいて中火で温めます。油はサラダ油で十分です。ゴマ油を少し混ぜると香ばしさがアップしますよ。
皮目を下にして入れましょう。「ジュッ」という音がしたら、そのまま3~4分。ここはちょっと我慢。皮がパリッと焼けるまで触らないのがコツです。焼き色がついたらひっくり返して、身の面を2分ほど焼きます。
ここで裏技。酒大さじ2を加えて蓋をし、弱火で2~3分蒸し焼きにしてください。これだけで中までふっくら火が通り、パサつきとは無縁に。竹串を刺してみて透明な肉汁が出てきたら完璧です。
ちなみにフライパンは、くっつきにくいフッ素樹脂加工のものが安心です。ティファール インジニオ ネオ フライパンを使っている方は、焦げ付き知らずで調理できると評判です。最近はセラミック加工のフライパンも人気で、こちらもこびりつきにくくヘルシーに焼けますよ。
味が決まる!タレの黄金比と絶品アレンジ
さて、味の心臓部です。まずは基本の黄金比から。
酒:みりん:しょうゆ=1:1:1
これだけで十分美味しいんです。でも、もう一声!というときは、砂糖を小さじ1~2加えてみてください。照りがグッと出て、甘じょっぱさが際立ちます。水を少量足すと焦げ付き防止にもなります。
隠し味を試したいなら、この3つがおすすめです。
- おろし生姜の絞り汁:臭みが消えて風味がぐっと深まります
- 酢を数滴:味がキュッと引き締まります
- はちみつ:コクと自然な照りがプラスされます
市販の調味料を上手に使う手もあります。ミツカン 追いがつおつゆをベースにすると、だしの旨味が加わって奥行きのある味に仕上がります。時短したい日の強い味方です。
タレが水っぽくならない秘策
タレを入れて煮詰めているのに、なんだかシャバシャバ…。その原因は、ぶりから出た水分と調味料の水分が多すぎること。
対策は2つあります。ひとつは、タレを入れる前にフライパンの余分な油と水分をキッチンペーパーでさっと拭き取る方法。もうひとつは、タレだけ先に別の鍋で少し煮詰めてから加える「後がけ方式」です。
フライパンで一緒に煮絡めるなら、強火で一気に水分を飛ばしましょう。フライパンを揺すりながら、トロリととろみがつくまで加熱します。タレがぶくぶくと泡立ってきたら、あと少し。ヘラでタレをすくって、とろっと糸を引くくらいがベストです。
冷めても美味しいぶり照り焼きの作り方
お弁当に入れても美味しいぶり照り焼き。でも冷めると硬くなってしまうのが悩みですよね。
この問題を解決するのが、焼き方の工夫。先ほど紹介した蒸し焼きの工程を丁寧に行うことで、身の水分が保たれて冷めてもパサつきません。さらに、焼き上がった後にタレをたっぷり絡めて、そのまま粗熱を取るのも大事なポイント。タレが冷める過程で身にしっかり味が染み込み、しっとり感が続きます。
もうひとつ、脂が多い天然ぶりより養殖ぶりの方が、冷めてもジューシーに仕上がりやすいという特徴も覚えておいてください。お弁当用なら養殖ぶりを選ぶのもアリです。
ぶり照り焼きをもっと楽しむアレンジアイデア
定番もいいけれど、たまには変化球も楽しいものです。
- 柚子胡椒風味:タレに柚子胡椒を少量溶かし込むと、ピリッとした大人味に
- マヨ照り焼き:焼く前にマヨネーズを薄く塗ると、コクが増してこってり
- ごま照り:仕上げに白ごまをたっぷりふれば香ばしさ倍増
- 大根おろし添え:さっぱり食べたいときは、たっぷりの大根おろしと一緒に
残ったタレはご飯にかけても最高です。むしろそれが楽しみで多めに作る、なんて声もよく聞きます。
さて、ここまで読んでいただけたなら、もうぶり照り焼きで失敗する姿は想像できませんよね。塩をふって水分を拭き、粉をはたいて焼く。黄金比のタレで煮絡めて、強火で一気に仕上げる。たったこれだけで、今夜の食卓にツヤツヤのぶり照り焼きが並びます。
初めての方も、これまで上手くいかなかった方も、ぜひ一度この手順で試してみてください。フライパンひとつで作れる絶品ぶり照り焼き、今日からあなたの得意料理です。
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