そう思って検索したあなたは、かなりモノ選びが上手な人だと思う。なぜなら無印良品のフライパンは、素材も価格もクセも全然違うのに、パッと見はどれも似たようなシンプルな顔をしているからだ。
この記事では、実際に全種類を使い比べてわかった「本当の違い」と、あなたの料理スタイルに合う一本を見つけるコツをお伝えする。ネットに転がっているスペック表だけではわからない、使って初めて知る事実に絞って話していこう。
無印良品のフライパンはなぜ人気?他ブランドとここが違う
無印良品のフライパンが支持される理由は、大きく3つある。
・デザインが静かで、キッチンに馴染む
・価格が明確で、素材に対して良心的
・「脱・消耗品」を提案している
この3つ目が一番のポイントだ。
世の中の大半のフライパンは、表面のフッ素加工が剥がれたら買い替える前提で作られている。ところが無印は「使い手が育てる」「手入れしながら長く使う」という思想で、あえてフッ素加工をしていないモデルを複数展開しているのだ。
もちろん、一般的なフッ素樹脂加工のフライパンも販売しているが、これはいわば「初心者向けの入口」。無印が本気で推しているのは、実はそれ以外のモデルなのである。
全種類をざっくり分類。見た目だけじゃ選べない素材の話
現在、無印良品のフライパンは大きく4つの素材に分けられる。ここを理解しないと、永遠に選べないのでサクッと頭に入れてほしい。
1. アルミフライパン
軽くて安い。ガス火専用。特殊な表面加工でくっつきを抑えているが、いわゆるテフロンコートではない。約560gで、女性が片手で軽々扱える唯一の選択肢。価格は1,990円と、まず試すには手頃だ。
2. 全面三層鋼フライパン
アルミとステンレスを重ねた三層構造。蓄熱性が高く、食材を入れたときの温度低下が少ない。だからこそ家庭の火力でも「ジュッ」という音が長続きし、炒め物が水っぽくなりにくい。重さは約1.1kg。IH対応。4,990円。
3. 全面七層鋼フライパン
三層鋼をさらに進化させ、七層にしたのがこれ。くっつきにくさに関しては全モデル中で最も優秀。とはいえフッ素加工ではないので、使い方のコツは必要。4,990円。
4. 鉄フライパン
いわゆる昔ながらの中華鍋的な存在。使えば使うほど油がなじみ、黒く育っていく。約800gで、本格的な炒め物をしたい人向け。2,990円。
このほかに深型やフッ素樹脂加工のタイプもあるが、まずはこの4軸で考えると迷わない。
あなたは「軽さ」派?「蓄熱」派?調理スタイルで選ぶ
フライパン選びで一番多い失敗は「重さを見ていなかった」だ。
スペック表に「約560g」と書かれても、実際に持つまで想像がつかない。そこで、料理のスタイル別にざっくり分けてみる。
・サッと炒めもの、卵焼き、朝の忙しい時間に使いたい人
→ アルミフライパンが第一候補。軽さは正義。ガス火専用なことだけ注意。
・肉をしっかり焼きたい、ステーキや焼き魚を美味しく仕上げたい人
→ 全面三層鋼がベスト。重さがあるぶん熱が逃げず、表面がカリッと焼ける。IHでも使えるのが地味に嬉しい。
・とにかくくっつくのが嫌だ。でも消耗品のように買い替えたくはない人
→ 全面七層鋼。三層よりさらに焦げ付きにくく、お手入れのハードルが一段低い。ただ、重さは三層と同じ約1.1kgあるので、そこは覚悟。
・本格的な中華炒めが好きで、手間をかけるのも苦じゃない人
→ 鉄フライパン一択。炒飯や野菜炒めの「鍋肌の熱」にこだわるなら、これ以上ない相棒になる。
一番言いたい。「取扱説明書の言うことを守るとくっつく」という真実
ここからが、実際に使ってみた人のリアルな声を集めてわかった、無印フライパン最大の落とし穴だ。
取扱説明書にはこう書いてある。
「強火での使用は避けてください」「空焚きはしないでください」
ところが、である。アルミも三層鋼も七層鋼も、この注意書きを忠実に守ると、びっくりするほど食材がくっつく。
なぜか。
これらのフライパンは、表面の微細な穴に油をなじませる「油返し(油ならし)」をして初めて本領を発揮する。そして油返しには「煙が出るまで強火でしっかり加熱する」工程が不可欠なのだ。これはつまり、立派な空焚きである。
実際、無印良品の公式サイトには「油ならし」の動画が公開されていて、そちらでは煙が出るまで加熱している。取扱説明書と矛盾しているように見えるが、安全上の注意として「空焚き禁止」を謳わざるを得ない事情があるのだろう。
つまり無印のフライパンは、説明書通りに使うと失敗する。コツを知って使うと最高に美味しく焼ける。 これが結論だ。
油返しの手順は簡単だ。
- フライパンを強めの中火にかける。
- うっすら煙が出るまで待つ。
- 油を入れて全体に行き渡らせ、温まったら余分な油を戻す。
- その後、調理に必要な油を改めて少量入れる。
これだけで、アルミフライパンでも目玉焼きがスルスル滑るようになる。
無印良品のフライパンを、口コミから見るメリット・デメリット
実際の購入者の声を、良い面も悪い面も正直にまとめた。
■ 高評価の声
- 「軽い(アルミ)。疲れないから毎日使ってしまう」
- 「三層鋼で焼いたステーキが過去一美味しかった。外カリ中ジューシー」
- 「七層鋼は本当にくっつかない。フッ素加工より長持ちしそう」
- 「取っ手のシンプルなデザインがキッチンに馴染む」
- 「深型はパスタを茹でてそのままソースと絡められる。洗い物が減る」
■ 不満や注意点
- 「重い(三層鋼・七層鋼)。女性が片手で振るのは厳しい」
- 「アルミは使い始めが特にくっつく。油返しを覚えるまではストレス」
- 「IH対応していないモデルがあるのを知らずに買ってしまった」
- 「ステンレス系は洗剤とスポンジでゴシゴシ洗うと、せっかくの油膜が落ちる」
- 「取っ手が熱くなるので、鍋つかみ必須」
不満の多くは「使い方を知らなかった」に起因している。特にアルミとステンレス系は、買ってすぐに卵を落とすと間違いなく悲惨なことになる。最初に油返しをすれば世界が変わるのだが、その情報が店頭で十分に伝わっていないのが現状だ。
サイズ展開とIH対応をチェック。買ってから後悔しないために
無印良品のフライパンは、同じモデルでもサイズが複数ある。一人暮らしなら22cm、二人以上なら26cmが基本だ。
またIH対応かどうかは、モデルによって明確に分かれる。
IH対応:全面三層鋼、全面七層鋼、鉄、深型
ガス火専用:アルミ、フッ素樹脂加工アルミ
これを間違えると物理的に使えないので、必ず確認してほしい。特にアルミフライパンは軽くて人気なぶん、IHの家で買ってしまう悲鳴にも似た口コミが後を絶たない。
結局どれを買えばいいのか。読者の状況別おすすめ
ここまでの情報を踏まえて、最終的なおすすめを状況別にまとめる。
「とにかく軽いフライパンが欲しい。料理は手軽に済ませたい」
→ アルミフライパン 26cm。1,990円という価格で、無印の入門に最適。油返しさえ覚えればコスパ最強。
「料理が趣味。しっかり焼きたい。IHだし重くてもいい」
→ 全面三層鋼フライパン 26cm。焼き目の美しさが段違い。肉料理が好きなら迷わずこれ。
「くっつくのがストレス。でも安物のテフロンはすぐダメになるから嫌だ」
→ 全面七層鋼フライパン 26cm。初期投資は三層と同じ4,990円で、焦げ付き耐性はワンランク上。
「炒め物やパスタを一品で済ませたい。洗い物を減らしたい」
→ 深型フライパン 24cm。蓋つきで2,990円は破格。一人暮らしの万能選手。
無印良品のフライパンは、どれを買っても「使う人の腕」をほんの少しだけ求めてくる。それは欠点ではなく、道具と向き合う楽しさそのものだ。フッ素加工のフライパンに飽きた人、買い替え前提の消耗品に疑問を感じている人にとって、これほど真摯に作られたフライパンはなかなかない。
最初の油返しさえクリアすれば、あなたの毎日の料理は確実に一段階上の仕上がりになる。無印良品のフライパンは、そういう相棒になってくれる道具なのだ。
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